着物は、女性のしとやかさ、たおやかさ、美しさをより引き立てる日本の伝統的な民族衣装です。
しかしながら、私達現代の日本人は洋服の大股で歩ける動きやすさ、手軽さにすっかり慣れてしまったため、着物が着崩れやすい、シワになりやすい動き方をしてしまいがちです。
洋服にも着物にもそれぞれの良し悪しがありそこに優劣はありませんが、それぞれの装いにふさわしい、装いをより美しく見せる立ち居振る舞いがあります。
着物にふさわしい動作や立ち居振る舞いを知っておくことは、着物とあなたの魅力をより引き立てることでしょう。
【立ち姿】
美しい立ち姿は、あなたの後ろ姿をより魅力的に映します。
頭の先から糸で吊られているように、背筋をピンと伸ばすことを意識しましょう。
また、おへその下あたりに力を入れて少し内股気味に立ち、つま先を開かないように、かつ片足を少し後ろに引くことでより美しい立ち姿になります。
【歩き方】
洋服を着ている時のように軽快に大股で歩くと、裾が乱れてしまいます。背筋を伸ばし、小股で足をまっすぐ運ぶようにして歩くことを意識しましょう。
また、履物を引きずったり、大きな音を立てたりしないようにすることも重要です。
【階段の上り下り】
着物の裾が階段に触れないこと、足首ができるだけ見えないことが美しい所作につながります。体の向きを階段に対して少し斜めにすること、上げた足が地につくと同時に反対の足を上げるようにすることがポイントです。
【座り方(椅子)】
帯の形が崩れないため、また姿勢を美しく保つために浅めに腰掛けましょう。
膝から足首を揃えることも、より美しく見えるコツです。
【手を上に上げる動作】
着物を着るときは、肌を露出しないことが好ましいです。
つり革につかまる、タクシーを呼ぶなどの手を上げる動作をする時は、肘や二の腕が露出しないよう、袖口を押さえるようにしましょう。
【食事の時】
食事のときにグラスに手を伸ばす時など、手を大きく動かす動作をする際は袖口を押さえることを意識しましょう。
袖を押さえることで、着物が汚れてしまうことを防ぎます。また腕がむき出しにならないため、所作が美しく見えます。
また、着物を汚さないために、ハンカチを膝にかけるとよいでしょう。
体の中心に力を入れて背筋を伸ばして立つ、大きな音を立てない、膝から足首を揃えて座るなど、洋服姿にもより映える所作と共通した部分もありますので、普段から意識してみるとよいですね。
慣れないうちは「立つ」「座る」「歩く」といった普段の何気ない動作もぎこちなくなってしまうかもしれませんが、「好きこそものの上手なれ」という諺の通り、「着物を美しく着こなしたい」という思いがあれば徐々に体が馴染んでいくことでしょう。
また、着崩れしにくい「エフォートレスキモノ(Effortless Kimono)」は、着物初心者の方や、文化の違う外国の方にもぴったりの着物です。「エフォートレスキモノ(Effortless Kimono)」から、美しい所作の練習を始めてみるのもおすすめです。